ロートアルミ製品のことも、時々アルミ鋳物と呼ばれることがあります。
門扉など製品になった時、使用上違いはないのですが、見た目に多少違いがありますので、ロートアイアン 、アルミ鋳物とロートアルミの3つについて、簡単に解説したいと思います。
ロートアイアン・アルミ鋳物・ロートアルミは、製法を表した言葉です。
まず、製法の違いを説明しますと、ロートアイアンは、ヨーロッパの伝統工芸である鉄を熱してハンマー等で叩き圧力を加える鍛造の手法。近代のロートアイアンは、SS400(一般構造用圧延鋼材)の鋼材を電気溶接で接合、組み立てる手法を取り入れて、ヨーロッパの伝統的なデザインを継承しています。溶接設備の進化と、ヨーロッパから輸入したパーツの使用や、パイプ材を採用したりと製作時間を短縮できる工夫を重ねてきました。
それでもロートアイアンは、一点一点作るので量産には不向きで時間がかかります。さらに、錆が発生しこまめなメンテナンスが必要というデメリットもあります。
そして高度成長期に、型を使い量産ができる「アルミ鋳物」がアルミメーカーに採用され、ロートアイアン風デザインの門扉やフェンスが発売され普及しました。また、ロートアイアンの製法をそのままに、鋼材を鉄からアルミに変え、設計寸法の自由度がある1点もので錆がでない、ロートアイアンのデメリットを解消した「ロートアルミ」も登場しました。
最近は、錆の出ないアルミがエクステリア商品での主流になっています。
アルミ鋳物とロートアルミは、あくまで製法の違いでした。
次に、見た目上の違いを説明しますと、それは表面の質感です。
ロートアルミはフラットな鋼材のツルッとした表面、アルミ鋳物は、砂型のざらっとした表面に仕上がっています。あとは、ロートアルミは溶接で組み立てるため、溶接痕(ビート)があります。
その他の違いで大きいのは、ロートアルミは、パイプ材が使用できるので、鋳物と比べ重量を軽く抑えることができます。
■ロートアルミ・アルミ鋳物の違い
ロートアルミ |
アルミ鋳物 |
|
重さ |
パイプ材が使用により重さは、 |
型にアルミを流し込む無垢製品 |
質感 |
フラットな鋼材のツルッとした表面 |
鋳型のざらっとした表面 |
形状 |
大ぶりで立体感がある装飾 |
細かいパターンの装飾 |
サイズ等 |
デザイン・サイズとも一点一点設計 大型の扉も設計可能 |
一点ものもの可能だが高価。量産向き |
既製品では |
型材門扉(中空材) |
鋳物門扉 |
仕上げは、ロートアルミ・アルミ鋳物とも塗装仕上げをします。
ロートアルミは、基本ツルッとした表面ですが、塗装でサテン仕上げにして凹凸をつけることもできます。